忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

プラスチック・ワード

意味の曖昧さ自体は,それほど珍しいことではない。たしかに日常言語においても,利用可能な語彙の単位としての単語の意味が,曖昧だったり抽象的だったり広い射程をもったりすることがある。ある対象領域のさまざまな側面を意味することもできるし,境界線がさまざまに移り変わることもある。けれども,わたしがそれを特定のコンテクストのなかで用いて,適用範囲の輪郭を描くやいなや,ことばは意味が明確で具体的で正確になる。それに対して,プラスチック・ワードは,特定のやり方で正確で適切に用いられることがほとんどない。それらはたがいに交換可能な規格部品として使用されるのである。まさにこのために,プラスチック・ワードは,正確さ,具体性,厳密性へと向かういかなる潜在的可能性をも失っているのである。

ウヴェ・ペルクゼン 糟谷啓介(訳) (2007). プラスチック・ワード:歴史を喪失したことばの蔓延 藤原書店 pp.42
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]