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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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失業より格差

数ある経済尺度のなかで,一般に犯罪と関係の深いのは失業より格差である。だが所得分配の不平等さの指標であるジニ係数は,犯罪率が低下した1990年から2000年までの間に上昇しており,犯罪が急増していた1968年には,反対に最低の数字を記録している。暴力犯罪の発生件数の変化を経済格差で説明することの問題は,それが異なる州や国の間での比較には有効である一方,1つの州や国のなかでの時間的変化には適合しないことだ。おそらく国や統治や文化のもつ固定的な特性にあり,それが格差と暴力の両方に影響を与えるのだと考えられる(たとえば貧富の差の大きい社会では,貧困地区に警察の保護が行き渡らないため,暴力事件の巣窟となる可能性があるなど)。

スティーブン・ピンカー 幾島幸子・塩原通緒(訳) (2015). 暴力の人類史 上巻 青土社 pp.227
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