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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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脱出の連続

こうしたことはすべて驚くに当たらない。アメリカに定住した人びとは男女とも,なによりも抑圧的で退廃的という理由でヨーロッパ文明を否定した人びとであり,もっとも顕著なアメリカ的素質を,当時の粗雑な社会形態にではなく,自然と原始的な世界のなかに見出した人びとである。文明から理想郷(アルカディア)への脱出,ヨーロッパから自然への脱出は,そのまま東部から西部への脱出,定住世界から辺境への脱出というかたちでくり返されてきた。アメリカ精神は何度となく,組織化された社会の侵食に苛立ちをみせてきた。一度捨て去ったものを再度押しつけようとするように思えたからである。文明を総体として否定することはできないが,依然としてそこにはなにか有害なものがあると信じられていた。

リチャード・ホフスタッター 田村哲夫(訳) (2003). アメリカの反知性主義 みすず書房 pp.44
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