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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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測定の類似性

パーソナリティ特性研究の主要な知見のひとつは,表面上異なった特性を測定するためにいくつかの質問紙が用いられたときなどにパーソナリティ測度間に見いだされる相関の多くの部分が,測定法のフォーマットにおける類似性から説明されるということである。類似した,あるいは重複したフォーマットや装置を用いた測定技法を用いることが生み出す「方法による分散(method variance)」あるいは共通分散(common variance)は,計量心理学者たちによって「誤差」として解釈されてきた。この誤差に対抗するために,方法分散を統制し,低減するための新しい統計的技法が絶え間なく追求されてきた(例. Block, 1965; Campbell & Fiske, 1959; Norman, 1966)。しかしながら現在の視点からみれば,方法分散は誤差ではなく,共通の刺激条件が用いられたときに当然期待される「刺激分散」あるいは反応共通性を反映しているに過ぎない。刺激の般化についての知見から予測されるように,パーソナリティ測査における状況を通じた反応の一貫性は,状況が類似していないほど低減されるし,状況が共通の特徴をもつほど増加するのである。

ウォルター・ミシェル 詫摩武俊(監訳) (1992). パーソナリティの理論:状況主義的アプローチ 誠信書房 pp.199-200
(Mischel, W. (1968). Personality and assessment. New York: John Wiley & Sons.)
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