2011年,アメリカ疾病対策予防センターは大規模な研究を行い,ティーンの睡眠不足と,喫煙,飲酒,大麻吸引など不健康な習慣の増加に,相関が見られることを発見した。イタリアの研究者も同様の結果を報告している。睡眠不足は,ティーンの生活のあらゆる側面に悪影響を及ぼすようだ。
生理学的には,以下のような悪影響が出る。
*ストレスで肌が荒れ,にきびや乾癬などができる
*過食したり,不健康なものを食べたりしがちになる
*スポーツで怪我をする
*高血圧になる
*深刻な病気にかかりやすい
感情面には,以下のような悪影響が出る。
*攻撃的になる
*いらいらする
*衝動的で状況をわきまえない
*自尊心が低い
*気分のムラが大きい
認知面には,以下のような悪影響が出る。
*学習能力が低下する
*創造力が働かない
*問題解決に時間がかかる
*物忘れがひどくなる
フランシス・ジェンセン エイミー・エリス・ナット 渡辺久子(訳) (2015). 10代の脳:反抗期と思春期の子どもにどう対処するか 文藝春秋 pp. 112-113
(Jensen, F. E. & Nutt, A. E. (2015). The teenage brain: A neuroscientist’s survival guide to raising adolescents and young adults. New York: Harper.)