①「ロボット」は何かに挑戦した成果を保存しておく。人間は新しい技術を獲得した成果を「ロボット」にして装備する。そして必要な場合に再利用できるようにする。これは人間の自由を拡大している。
②「ロボット」は何かを見,聞き,知ったということを保存しておく。こうすることで,人間は世界のどの部分はすでに織り込み済みであり,どの部分はまだ未知であるかを区別できる。そうすれば,既知の部分についてあれこれ悩まずにすむ。このこともまた人間の自由を拡大している。
③「ロボット」は,とくに使い込まれれば,ほとんど無意識のうちに仕事を処理してくれる。こうして人間は,じぶんのやっているあれこれを「ロボット」任せにして自分は他のことをしていられる。自由の拡大である。
④「ロボット」は1つの重要な仕事を成し遂げるために,グループとしてチーム・ワークをなす。あなたが取引先のお得意様と重要な契約を取り付けられるのは,日本語を操る「ロボット」,パソコンを操る「ロボット」,書類を作成する「ロボット」,上司の指示を記憶している「ロボット」などが,スムーズに仕事を処理してくれるからである。
佐々木正悟 2005 「ロボット」心理学 文芸社 p.35-37
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