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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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知らないことを知っているから専門家

 専門家ってやつはどいつもこいつも自分の持っている情報を利用して人をひどい目に遭わせようとしてるんだって思ったなら,あなたは正しい。専門家はあなたが知らない情報を知っているからこそ専門家なのだ。彼らの作戦はとても手が込んでいて,あなたはせっかく情報を持っているのにどうしていいかわからなくなっているかもしれない。あるいは,彼らのノウハウに感動してもう楯突く気もなくなっているのかもしれない。医者に血管形成をしておいたと言われれば——最近の研究によると,血管形成には心臓発作を防ぐ効果はほとんどないようだけれど——医者が自分の持つ情報優位を利用して自分か自分の友人に数千ドルほど稼がせたなんて思わないだろう。しかし,テキサス大学サウスウエスタン医療センターの心臓内科の専門家デイヴィッド・ヒルズが『ニューヨーク・タイムズ』に語ったように,医者も,車のディーラーや葬儀屋さんや運用会社と同じ経済的インセンティブを持っている。「あなたは心臓内科医で,町で内科をやっているジョー・スミスがあなたのところに患者を送り込んできたとする。彼らに治療しなくても大丈夫だと言ったとしたら,ジョー・スミスは2度とあなたのところに患者を連れてこないだろう」。

スティーヴン・D・レヴィット,スティーヴン・J・ダブナー 望月衛(訳) (2007). ヤバい経済学[増補改訂版] 東洋経済新報社 pp.79-80
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