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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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資本主義企業と同じ構造

 言い換えると,クラック売人ギャングの仕組みは普通の資本主義企業とほとんどおんなじ:でっかく稼ぐにはピラミッドのてっぺん近くにいないとダメだ。社員はみな家族とか言ってる経営者のタテマエと全然違って,ギャングの給料は企業社会と変わらないぐらい偏っている。歩兵はマクドナルドでハンバーグをひっくり返してる人やウォルマートで棚を並べ替えてる人といろんな意味でそっくりだ。実際,J.T.の歩兵はだいたいみんな,違法な仕事のしょぼい稼ぎを補うために,まっとうな業種で最低賃金レベルの仕事もやっている。別のクラック売人ギャングのリーダーは,歩兵にもっと払ってもやっていくのは簡単だけどそれは賢いやり方ではないと語っている。「ええか,ワシの仕事を狙っとるニガーを山ほど抱えとるわけよ」と彼は言っていた。「そりゃまああいつらの面倒はみてやらんといかんけど,ボスはワシやっちゅーのをたたき込んでやらんといかんのや。まずワシがワシの取り分を取らんと,ワシはもうボスやのうなってしまう。ワシが損かぶったりしたら,あいつらワシをヘタレのクソったれじゃと思いよるからな」。

スティーヴン・D・レヴィット,スティーヴン・J・ダブナー 望月衛(訳) (2007). ヤバい経済学[増補改訂版] 東洋経済新報社 pp.
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