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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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この道一筋の悪い面

 日本人は「この道一筋何十年で,一芸を極めて」という生き方がすごく好きで,何かというと「何とか道」にしてしまう。
 東京大学にも「システムなんとか」という学科はたくさんあるのですが,そういう名前をつけておきながら,ある1つの分野の追究をはじめてしまう。日本には職人気質というか,1つのことにのめり込むのを良しとする文化があって,「この道何十年,ついに奥義を極めた」という人が尊敬される。
 反対に冷静な多元的な分析は「専門性がない」とあまり好感を持たれない。
 「私はこれ一筋」という熱い言い方をする人に対して,システム的なものの見方で分析すると,「評論家」と言われて嫌われます。
 「全体の中で君のやっていることはこのぐらいの重さだよ」と相対化されるのは,日本人はすごく嫌なのです。

川島博之 (2009). 「食料危機」をあおってはいけない 文藝春秋 pp.202-203
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