分類は,図解を併用すると能率があがる。
まず,もっとも基本的なのは「ツリー図(樹状図)」である。ツリー図では,その体系が一目でわかるのが長所だ。
ウィンドウズのフォルダーもツリー型になっているように,これは分類の基礎である。
百科全書では,ツリー図によって,人間知識の新しい体系が示されていた。
複雑な体系をもつ学問分野でも,全体のツリー図を作成することによって,理解しやすくなるはずだ。
なお,ツリー図の一種に系統樹がある。これは線で結ぶことによって,モノとモノとの系統をあらわす。最初に用いたのは,動物学者のラマルクであるといわれる。
分類は表(マトリックス)にして見せることもできる。多次元で解析するときに便利な方法だ。たとえば,りんごを色と甘みというように2つの基準で分類したいときなどに,威力を発揮する。
また,元素の周期表のように,規則性があるものを表現するのにも,表による分類法は大いに役立つ。
また,縦軸と横軸をとり,座標にして分類の結果を見せることもできる。x軸とy軸が直角に交わっている座標は,発案者の名前をとって,「デカルト座標」と呼ばれている。
一群の対象が,どのような傾向をもっているか,一目でわかるのが便利だ。これなら分布状況まで一目でわかる。たとえば,購買客の買い物の傾向を,値段の高い安い,量の多い少ないなどで分類してみることができる。
ほかに,ベン図という表し方がある。これは円を使って,モノゴトとモノゴトの関係をあらわす方法である。数学の集合論で使われる方法だ。
Aという集団とBという集団がどのように関係しているか,全面的な関係か,部分的な関係か,内包関係にあるのか外包関係にあるのか,すぐわかる。
久我勝利 (2007).知の分類史:常識としての博物学 中央公論新社 pp.218-219
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