今は親世代の時代とは違う。新卒就職で失敗したら逃げ道がない時代ではまったくないのだ。仮につまずいても,第二新卒という手もあれば,中途採用という道だってある。決して易しくはないが,やり直す道は多数あるということだ。そうした面では,親目線から見た今の就活は,羨ましい限りかもしれない。確かに昨今の景気は厳しいが,それは昔も同じである。景気を言い訳にする前に,自分の希望ばかりを並べる前に,まずはやってみたらどうだと言いたい親も多いのではないだろうか。
もし,自分なりにとことん考えて,それでも前に進めないというのなら,それは,前に進む勇気が足りないだけかもしれない。または,他の選択肢を考えてみるだけの視野がないのかもしれない。または,ダメなら就職しなくてフリーターでもいいかという甘えがどこかにあるのかもしれない。いずれにせよ,これは自分の問題でしかないのだ。親ができることがあるとすれば,就活の資金を援助してやること……くらいなのかもしれない。
中村昭典 (2009). 親子就活:親の悩み,子どものホンネ アスキー・メディアワークス pp.130-131
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