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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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大型動物の絶滅

 私個人としては,オーストラリア史上,数えきれないほどの干魃に遭遇しながら何千万年も生き延びてきた大型動物が,最初の人類がやってきたとたん,短期間(ここでいう短期間とは百万年のスケールで考えた場合のことで,数千年などというのはほんのわずかの期間にすぎない)のうちに偶然に,突然死に絶えたとは考えにくい。大型動物の絶滅は,乾燥地帯のオーストラリア内陸部だけでなく,多湿地帯のニューギニアやオーストラリア南東部でも起こっている。彼らは,乾燥地帯でも,熱帯雨林地帯でも,寒冷雨林地帯でも,あらゆるところで死に絶えているのだ。したがって私の考えでは,大型動物は,人間によって(食用のために)直接的に殺されたり,(人間が放った火によって焼き殺されたり生息地が開拓されたことで)間接的に滅ぼされたように思える。オーストラリア・ニューギニアから大型動物がいなくなってしまったことは,それが殺戮仮説の指摘するような理由によるものであろうと,天候仮説の指摘するような理由によるものであろうと,それ以降の人類の歴史に非常に大きな影響をおよぼしていることはたしかである。これから見ていくように,これらの大型動物の絶滅は,それらを家畜として飼いならす機会を人類から奪ってしまったのである。そのため,現代においてもオーストラリア人やニューギニア人は土着の動物を家畜化していない。

ジャレド・ダイアモンド 倉骨彰(訳) (2000). 銃・病原菌・鉄 上巻 草思社 pp.61-62
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