90年代は,それまで専門家や研究者の間で発展したインターネットが商用化され,すべての人のために世界へ広がったときです。象徴的には,92年にコンピュータネットワークの商用化が始まり,95年にマイクロソフトのウィンドウズ95がインターネット機能を無料で組み込んだことでしょう。80年代にはUNIXが大学や専門家をインターネットにつなぎ,90年代には,ウィンドウズがすべてのコンピュータ利用者をインターネットにつなぎ,そしてすべての人が使える環境になりました。
2000年代に入ってからの10年は,携帯電話をはじめとする電波を使ったデバイスが発展し,インターネットにはコンピュータだけではなく,他の機器がつながってくるという現実がやってきました。自動車などのセンサーも含め,移動時と空間が無線技術によってサポートされるようになったことで,インターネットは「誰でもどこでも,なんでもつながる」という氏名を果たし始め,環境,健康,教育,経済などすべての分野のすべての人のための,本当の社会のインフラとしての役割が期待されるようになりました。
村井 純 (2010). インターネット新世代 岩波書店 p.204
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