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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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可用性バイアス

 5番目にnがくる6文字の英単語と,ingで終わる6文字の英単語とでは,どちらの数が多いだろうか。ほとんどの人間がingで終わる6文字の英単語を選ぶ。なぜだろうか。ingで終わる単語は,5番目にnがくる6文字英単語より思いつきやすく,数が多いように思えるからだ。
 しかし,その推測が間違っていることを証明するのに『オックスフォード英語辞典』を調べる必要はないし,勘定の仕方を知る必要さえない。というのは,5番目にnがくる6文字の英単語のグループには,ingで終わる6文字の単語が含まれているからだ。心理学者はこの種の間違いを「可用性バイアス」と呼んでいる。われわれは過去を再構築する際,もっとも生き生きした記憶,それゆえもっとも回想しやすい記憶に,保証のない重要性を授けてしまうのだ。

レナード・ムロディナウ 田中三彦(訳) (2009). たまたま:日常に潜む「偶然」を科学する ダイヤモンド社 p.46
(Mlodinow, L. (2008). The Drunkard’s Walk: How Randomness Rules Our Lives. New York: Pantheon.)

引用者注:ここでの「可用性バイアス」は,「利用可能性バイアス」と呼ばれることもある。
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