忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

正常性バイアス

 なぜわたしたちは避難を先延ばしするのだろうか?否認の段階では,現実を認めようとせず不信の念を抱いている。我が身の不運を受入れるのにしばらく時間がかかる。ローリーはそれをこう表現している。「火事に遭うのは他人だけ」と。わたしたちはすべてが平穏無事だと信じがちなのだ。なぜなら,これまでほとんどいつもそうだったからである。心理学者はこの傾向を「正常性バイアス」と呼んでいる。人間の脳は,パターンを確認することによって働く。現在何が起こっているかを理解するために,未来を予測するために,過去からの情報を利用する。この戦略はたいていの場合うまくいく。しかし脳に存在していないパターンに出くわす場合も避けられない。言い換えれば,わたしたちは例外を認識するのは遅い。しかもピア・プレッシャー[仲間集団からの社会的圧力]の要因もある。だれだって不吉な前兆を経験することがあるが,たいていは事なきを得るものだ。違った行動をすると、過剰適応を受けて周囲を混乱させるリスクがある。だからわたしたちは控えめな反応をするという過ちを犯す。

アマンダ・リプリー 岡真知子(訳) (2009). 生き残る判断 生き残れない行動:大災害・テロの生存者たちの証言で判明 光文社 pp.40-41
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]