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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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それはむしろ問題行動

 多くの研究者は発達過程で学習によって形成された性格が,成人になると通状況的一貫性をもって行動を決定するようになる,というヴィジョンをもつ。しかし実際には,そうした「学習された行動の内在化」には実証的な根拠がないし,成人の性格や性格関連行動の安定性も,役割や社会的関係などの状況要因に依存している可能性が大きく,状況が変化すればそれにつれて変化すると思われる。むしろ,もし周囲の状況が大きく変化しても乳幼児期・青年期に学習した行動パターンが堅持されているような場合,それは環境への不適応につながるし,客観的には「一貫性のある行動」というよりも,「問題行動」とみなされることが多いだろう。

渡邊芳之 (2010). 性格とはなんだったのか:心理学と日常概念 新曜社 p.106
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