少子化は,本当に解決すべき「問題」なのでしょうか?確かに,世の中が住みよくなって,その結果,少子化が解消すれば素晴らしいことだと思います。ただ,子どもが減って大変だから子どもをつくれというのは,もっともではありますが,他に方法はないのでしょうか。
少子化で生じる問題は,少子化を解消しなければ解決できないというわけではありません。少子化が進むなら,別の方法で埋め合わせることを考えてもよいのではないでしょうか。
私たちは,まるで初めから問題が決まっているような気分になっていますが,ここでちょっと立ち止まって,「この問題は,本当に問題なのか?」ということを疑ってみてもよいのでは,と思います。
問題を考えるときの最大の罠は,問題にすべきでないことを問題にしてしまうこと,そして,問題にすべきことを問題にしないことにあるのです。
神永正博 (2010). 未来思考:10年先を読む「統計力」 朝日新聞出版 pp.272-273
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