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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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カイロプラクティックと脳卒中

 2本の動脈はそれぞれ,一番上の椎骨の構造に従って鋭くカーブしたのち,脳に達して酸素を供給する。ここで動脈をカーブすること自体は,まったく自然で何も問題はないのだが,首を引っ張りながら曲げるという動きが,極端に大きく,あるいは突然に引き起こされると問題が生じる。そしてそれこそが,カイロプラクターの治療に特徴的な,高速小振幅スラストのマニピュレーションによって引き起こされる動きなのだ。力がかかった結果,いわゆる椎骨解離が起こる——つまり動脈内部の血管壁が剥がれる。椎骨解離は,4通りの方法で血流に影響を及ぼす。第1に,損傷を受けた部分に血の塊ができて,動脈の流れを徐々に妨げる。第2に,やがて血の塊がその部分から剥がれて脳に運び込まれ,椎骨とは遠く離れた場所で動脈の血流を妨げる。第3に,動脈の内側の層と外側の層のあいだに血流が溜まり,そこがふくらんで血流量が減少する。第4に,損傷が原因となって,動脈が痙攣を起こすことがある。つまり血管が収縮して,血液が流れにくくなるのだ。これら4つの場合のすべてにおいて,椎骨解離は最終的に脳の一部への血流量を減らす。そして脳卒中が起こる。最悪の場合には,脳卒中によって脳が回復不能な損傷を受けたり,死に至ったりすることもある。

サイモン・シン&エツァート・エルンスト 青木薫(訳) (2010). 代替医療のトリック 新潮社 pp.227-228
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