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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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嫉妬と妬み

 ギリシア語の語源からいうと,嫉妬(jealousy)という語は,熱狂的(zealous)という語と同じ語源を持っている。つまり,人や物を熱烈に奨励することを意味している。嫉妬とは,奨励されるものがなくなってしまうのではないかという疑いのことである。
 一方,妬み(envy)は,ラテン語のinvidere(悪意をもって人をみること)からきている。妬みとは,他人が所有しているものを欲しがったり不満をもったりすることを意味している(Salovey & Rodin, 1986, 1989)。

嫉妬と妬みという語は非対称的に用いられている。つまり,妬みのかわりに嫉妬という言葉を用いることはあるが,嫉妬のかわりに妬みという語を使うことはない。嫉妬という語には,親密な関係が壊れるのではないかという予期と,ライバルとの社会的比較という2つの側面がある。これに対して,妬みという語はライバルとの社会的比較という側面だけである。


J.P.タングネー & P.サロベイ (2001). 恥・罪悪感・嫉妬・妬み:問題をはらむ社会的感情 R.M. コワルスキ&M.R.リアリー(編著) 安藤清志・丹野義彦(監訳) 臨床社会心理学の進歩 実りあるインターフェースをめざして 北大路書房 191-221.


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