公正さの法的追及に関係する様々なグループの利害を考える際に,ほとんどの専門家は不法行為や犯罪に関係するためにその仕事を選んだのではない,ということを覚えておくべきである。ずさんな仕事をするために働くことなどない。彼らの行為は,その時点で受けていたプレッシャーと目標の下でこそ,道理に適っている。彼らの行為は複雑な技術システムによって,その只中で生まれた通常業務そのものである。専門職の人々はなすべき仕事をしよう,よい仕事をしようといている。生命を奪おう,障害を与えようといった動機は持っていない。全く逆である。
シドニー・デッカー 芳賀 繁(監訳) (2009). ヒューマンエラーは裁けるか—安全で公正な文化を築くには— 東京大学出版会 pp.200
(Dekker, S. (2008). Just Culture: Balancing Safety and Accountability. Farnham, UK: Ashgate Publishing.)
PR