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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ノリの秩序

 彼らの小社会では,ノリながらやるのであれば,何でも許されるが,「みんなから浮いて」しまったら,何をやっても許されない。中学生たちはその場その場のみんなのノリをおそれ,かしこみ,うやまい,大騒ぎをしながら生きている。
 いじめで人が死んだり自殺したときですら,生徒たちは「かっこいい」と拍手喝采したり,堂々と「遊んだだけよ」と言うことがある。「どうしていじめたのか」と尋ねられて,加害生徒が,「おもしろかったから」とか「遊んでいた」といったふうに答えることもある。このようなとき,彼らは「自分たちなり」の遊びとノリの秩序にしたがって,文字通り「おもしろい」からいじめている。
 ここで「遊んだだけ」というときの遊びは,「自分たちなり」のノリの秩序に従いながら,ノリを次々と生み出す。このような秩序状態のもとでは,「みんな」の遊びに逆らうことは強烈なタブーである。また,遊びであればすべてが許される。

内藤朝雄 (2009). いじめの構造:なぜ人が怪物になるのか 講談社 pp.41
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