外向性と内向性という用語は,1921年にユングによって導入された。彼は,世界に向かう心の指向性として,外向性—内向性という二者択一を見ようとした。ユングの外向型では,焦点は外に向かっている。内省よりも行動,ひとりで考えるよりも他の人々と一緒にいるほうを好む。したがって社交的で活動的である。内向型のほうは,焦点は自分自身の思考と感情に向かう。したがって,まわりからはいくぶん孤高と見られ,省察のための孤高と平穏を求める。こうした外向型の概念は,長い年月の間に変わってきており,同じ用語ではあるものの,ユングの心理学的類型も,さまざまな理由から,本書に述べるパーソナリティ特性と完全に一致してはいない。しかしながら,5因子モデルだけでなくあらゆるパーソナリティ理論に,ここに述べた「外向性」ときわめてよく似た——そして知的祖先のどこかにユングをもつ——次元がある。
ダニエル・ネトル 竹内和世(訳) (2009). パーソナリティを科学する 白揚社 pp.91-92
(Nettle, D. (2007). Personality: What makes you the way you are. Oxford: Oxford University Press.)
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