事実を確認したかった僕は,疑いを抱いた多くの人と同じことを思いつく。情報の専門機関,ヴァージニア州ラングレーにあるCIA本部に聞いてみよう。CIA広報部のマリーは,ケネス・A・クレス博士が執筆した内部資料(僕がすでに目を通したあれだ)の存在を指摘した後,マクモニーグルは米軍から勲功賞を授与されているのだから群に話を聞くべきだと言う。
世界最高の情報機関に見放された僕は軍にあたってみることにする。国防総省のウェイン・V・ホール広報官にメールを送り,マクモニーグルの勲功賞の感状について問い合わせをする。
回答はこうだった。「お答えできるのは以下の点のみです。ジョゼフ・W・マクモニーグル二級准尉は20年間の勤務の後,1984年8月31日に退役しております。当該者の主張に関して言えば,極めて一般的な事態ですが,当人の記録に感状の写しは存在しません」
でも,僕はこの目で感状の内容を読んだ。どこで読んだのかも言える。マクモニーグルの自伝の中だ。勲功賞という大変な栄誉を,当の米軍に知らせずに超能力スパイに与えるなんておかしくないか。
ウィリアム・リトル 服部真琴(訳) (2010). サイキック・ツーリスト:霊能者・超能力者・占い師のみなさん,未来が見えるって本当ですか? 阪急コミュニケーションズ pp.308-309
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