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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ささやかな奇跡の演出

 最近テレビを見ていると,ショウビジネス界でひっぱりだこの,ある霊能者が,有名な女性ポップシンガーからなくした指輪を探してほしいと頼まれたときの話をしていた。その霊媒は彼女に,指輪は冷蔵庫の角氷のなかに氷漬けになっていると告げた——そしてどうなったか?たしかに指輪はそこにあったのだ。
 それを聞いてわたしは,自分が演じたささやかな奇跡のことをいくつか思い出した。わたしたちは,心霊パワーの出現を仕掛ける予定の,ある家族に花を届けさせるために,1人の男をやとって,なにか小さな物をくすねて持ってくるようにいいふくめた。男は高価な宗教的メダリオンをポケットに忍びこませた。あとになって,霊がそのメダリオンを持ち主に返し,もち主は心から感謝の気持ちを表した。
 もっとみごとな例で,テレビで霊能者がいっていた出来事にも近いのは,わたしたちがスパイに,花を届けているあいだに小さな物を盗んで,家の中の住人が見つけそうもない場所に隠しておくように指示したときの一件である。スパイはダイヤの夜会用指輪を盗んで,それをリビングの石の暖炉の裏にある隙間に滑りこませた。
 ほどなくして,わたしたちの忠実なファンである指輪の持ち主が,泣きだしそうな声でわたしに電話をかけてきて,自分じとってはかけがえのない物をなくしてしまったと訴えた。霊にそれを見つけだせるだろうか?
 わたしは電話ごしに波長を波動にあわせると,彼女に向かって,いま自分が受けている印象は奇妙に聞こえるかもしれないが,とにかく暖炉の上から裏をのぞいてごらんなさいといった。
 彼女は興奮して電話口に戻ってきて,彼女のすばらしい指導霊たちと,そのちっぽけな下僕であるわたしに,称賛の言葉を並べ立てた。

M.ラマー・キーン 皆神龍太郎(監修) 村上和久(訳) (2001). サイキック・マフィア 太田出版 pp.46-47
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