いかさまを暴かれたときの正しい対処法は,当代一の冷静沈着な霊媒,奇跡のメイプルが教えてくれる。一度彼女が闇のなかでトランペットを使って話していたときに,突然明かりがついたことがあった。メイプルもしっかりと目を閉じていたため,そのまま話しつづけた。
メイプルが目を開けたとき,列席者(このときは1人しかいなかった)が目を丸くして彼女を見つめていた。
「メイプル」列席者がいった。「あなたはトランペットを通じて話していましたよ」
まばたき1つせずに,この古狸は平然とこういい放った。「わたしは霊によってコントロールされていました。霊は,エクトプラズムで咽頭を作るのではなく,わたしの身体と声帯を利用していたのです」
どうだまいったか!
鉄則は,見つかったと思ったら,なにも認めず,最後までずうずうしく押し通すことである。
M.ラマー・キーン 皆神龍太郎(監修) 村上和久(訳) (2001). サイキック・マフィア 太田出版 pp.80
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