懐疑的な見かたを封じるもう1つの効果的な手段が,「サクラ」を使うことだ。雇われて礼拝や交霊会に顔を出し,露骨にイカサマの証拠を暴こうとしてみせる人間のことである。
ときにわたしたちは,この侵入者に会の進行をはっきり口に出して抗議させ,わたしたちをイカサマ師だと糾弾させることもある。ときには,もっとさりげなく,サクラに霊視する質問カードを書かせたあと,それを霊媒に渡す籠のなかに入れたくない素振りをさせる。わたしたちは,その質問カードをサクラのポケットのなかにしまわせ,もちろんそのあと,それに触れずに透視して,サクラの質問に答えるのである。
場合によっては,その見知らぬ人間の懐疑的な見かたに理解を示し,彼を許して,すごすごと後悔顔で帰らせることもある。そうでなければ,冒涜的な言葉の廉で彼を怒鳴りつけ,教会から立ち去って2度と戻ってくるなと命令する。
アル中は手先としてとくに役に立った。わずかな金で働いたし,もしあとになってわたしたちのことをたれこもうとしても,アル中のいうことなど誰が信じるだろうか?
M.ラマー・キーン 皆神龍太郎(監修) 村上和久(訳) (2001). サイキック・マフィア 太田出版 pp.84-85
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