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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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課題を探す困難さ

 これは,すべてのことにいえると思う。小学校から高校,そして大学の3年生まで,とにかく,課題というのは常に与えられた。僕たちは目の前にあるものに取り組めば良かった。そのときには,気づかなかったけれど,それは本当に簡単なことなのだ。テーブルに並んだ料理を食べるくらい簡単だ。でも,その問題を見つけること,取り組む課題を探すことは,それよりもずっと難しい。特に,簡単にできるものを選ぶ,といった選択ではなく,自分の役に立つものを見つけようとすると,無駄にならないよう妥協しなくなる分,さらにハードルが上がる。でも,研究という行為の本当の苦労はこういった作業にある,ということも,その後,少しずつだけれどわかってきた。喜嶋先生はこのとき,僕たちにそれを教えようとしたのだろう。

森博嗣 (2010). 喜嶋先生の静かな世界 講談社 pp.92-93
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