忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ラッコがいるかどうかで

 どこにでも,そのパターンが当てはまった。ラッコがパトロールしているアムチトカの礁にはケルプの森があり,海面へと伸びる葉の間には魚が泳ぎ,海底には色とりどりのカイメンやヒドロサンゴ,イガイ,フジツボが生息していた。一方,ラッコのいないシェミアやアッツの礁では,海底はピンクのサンゴモを敷きつめたようになっており,トゲだらけの巨大な緑色のウニがそこかしこに転がっていた。アムチトカがケルプのジャングルなら,シェミアやアッツはウニしかない不毛の地だ。どの点から見ても,木々が高くそびえる原生林から皆伐地に出てきたときのように,その差は明らかで劇的だった。そして結局はラッコがその違いをもたらしているのだ。

ウィリアム・ソウルゼンバーグ 野中香方子(訳) (2010). 捕食者なき世界 文藝春秋 pp.97
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]