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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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売れれば文句を言う人も読む

 プロの小説家になれば,自分の作品が評価されることになる。実は最重要の評価指標とは,「どれだけ売れたか」であるけれど,個人による批評が文章で示されるケースも無数に存在している。たとえば,最近はネット書店に素人の書評や採点が表示されている。作家も読者も,人によっては気になる数値かもしれないが,売れる本と評価値はむしろ反比例していることをご存知だろうか。
 僕は自著に対してデータを集計したことがある。すると,売れている本ほど,読者の採点が低くなる傾向があることに気づいた。理屈は簡単である。採点が低いからよく売れるのではなく,よく売れる本ほど,その作品に合わない人へも本が行き渡るから,低い評価を受ける結果になる。逆に,もの凄くマイナで部数の少ない本は,コアなファンだけが買うので評価が高い。

森博嗣 (2010). 小説家という職業 集英社 pp.138-139
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