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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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妥当性について

 妥当性は,検査が測定する目的のものを測定するかどうかという問題を扱う。標準化され信頼性のある検査は,必ずしも妥当性のあるデータをもたらすわけではない。妥当性とは,検査がその目的に関連のある行動のタイプを抽出すること(内容妥当性),査定する現象に関係する理論的仮説に一致するデータを提供すること(併存妥当性と予測妥当性),他の心理学的現象による影響の混交をほとんど受けない現象の測定を提供すること(判別妥当性)を保証する。応用的状況では,加算的形式の妥当性が考慮されるべきである。すなわちそれは増分妥当性であり,検査からのデータが他のデータから収集される情報以上にわたしたちの知識を増やす程度のことである(Sechrest, 1963)。検査が妥当であるか否かということを云々するのは通常であるが,実際の妥当性ははるかに複雑である。多くの心理検査は大きな構成体をなし,個々の側面を判定するための下位尺度から構成されている。このような状況では,下位尺度のそれぞれの妥当性が確立されなければならないのであり,検査自体の妥当性が云々されるのは,誤りである。さらに,検査は特定のグループのなかで特定の目的のために妥当するように(たとえば,特定の年齢や性別)つくられており,妥当性は常にある変数内で設定されるので,検査や下位尺度の全体的妥当性は存在しない。最後に,検査は多面的な目的で使われるであろうが,それぞれの目的に関する妥当性は,経験的に確立されなければならない。たとえば,心理的苦悩に関する自己記述式検査が診断確定の妥当な指標であるとしても,それが同時に法定で,意思決定能力や児童保護権の申立てを審査する目的で,使われることを支持するわけではない。

S.O.リリエンフェルド,S.J.リン,J.M.ロー 厳島行雄・横田正夫・齋藤雅英(訳) (2007). 臨床心理学における科学と疑似科学 北大路書房 pp.34-35
(Lilienfeld, S. O., Lynn, S. J., & Lohr, J. M. (Eds.) (2003). Science and Pseudoscience in Clinical Psychology. New York: The Guilford Press.)
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