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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ロールシャッハ検査の増分妥当性は

 ロールシャッハの支持者は,しばしば,ロールシャッハの妥当性を評価する最適な方法は,増分妥当性を調査することであると示唆してきた(たとえばWidiger & Schilling, 1980)。しかしガーブ(1984)は,人口統計や自己記述的パーソナリティデータにロールシャッハデータを追加することは,必ずしもパーソナリティ査定の正確さを高めるものではないと結論づけた。これら研究のいずれも包括システムを使った展望には含まれていないことに注目すべきである。ロールシャッハと自己記述的測定との間の収束的妥当性についての限定的な事実が与えられたので,MMPIのような測定から得られる以上にロールシャッハが重要な臨床データを加える機会を提供すると論じるロールシャッハ支持者もいる(たとえばWeiner, 1993)。しかしこれまでの事実はこの主張を支持していない。アーチャーとゴードン(Archer & Gordon, 1988)は,うつ病と統合失調症の包括システム指標が,MMPIデータに加えられたとき,診断効果をより高める役を果たさなかったことを見出した。同じように,アーチャーとクリシュナマーシー(Archer & Krishnamurthy, 1997)は,うつ病と行為障害の診断において,ロールシャッハ指標がMMPI-A指標の正確性をさらに高めることはなかったと報告した。

S.O.リリエンフェルド,S.J.リン,J.M.ロー 厳島行雄・横田正夫・齋藤雅英(訳) (2007). 臨床心理学における科学と疑似科学 北大路書房 pp.42
(Lilienfeld, S. O., Lynn, S. J., & Lohr, J. M. (Eds.) (2003). Science and Pseudoscience in Clinical Psychology. New York: The Guilford Press.)
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