全体的なパーソナリティの測度として,MBTIは,よく確立された他の職業測度やパーソナリティ測度と関連が認められないと批判されてきた。検査手引きに一連の併存的妥当性データが含まれていることに対する検査開発者の努力は,賞賛に値するものであるが,4つのパーソナリティ指向が,他の測度によって査定された類似の構成概念と関係することを示す一貫した事実に乏しい。発表された研究によれば,MBTIは職業指向と職業業績の測度とほとんど対応しない(たとえばApostal & Marks, 1990; Furnham & Stringfield, 1993)。加えて,全体的なパーソナリティの測度として,MBTIは,最も一般的な人格構造の2つの科学的モデルであるアイゼンクの3因子モデルと5因子モデルのどちらにもあまり一致しない(Furnham, 1996; McCrae & Costa, 1989; Saggino & Kline, 1996; Zumbo & Taylor, 1993; しかしMacDonald et al., 1994を参照)。このようにMBTIは,現代のパーソナリティ測度として不十分と結論できる。
S.O.リリエンフェルド,S.J.リン,J.M.ロー 厳島行雄・横田正夫・齋藤雅英(訳) (2007). 臨床心理学における科学と疑似科学 北大路書房 pp.56
(Lilienfeld, S. O., Lynn, S. J., & Lohr, J. M. (Eds.) (2003). Science and Pseudoscience in Clinical Psychology. New York: The Guilford Press.)
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