先進国・非英語圏に住む日本人は,過去の先人たちの努力のおかげで,大学・大学院レベルまでの知を,母語である「日本語で学ぶ」ことができるという素晴らしい環境にあります。この「日本語で学ぶ」ということに,オープンエデュケーションの「言語を超えた理念」,つまりオープン化による教育の質の向上とか教育のロングテール化といった考え方を適用していくというのが,日本のオープンエデュケーションにおける第1の可能性なのだろうと思います。
そしてもう1つは,これだけ世界がグローバル化していて,新興国・途上国の人たちもいきなり「英語で学ぶ」ことから始めている時代ですから,日本人だって地球全体を意識して「英語で学ぶ」ことを考えよう,そういう視点で膨大な英語圏コンテンツも含めてのオープンエデュケーションを眺めてみよう,というのが第2の可能性なのだと思います。
梅田望夫・飯吉透 (2010). ウェブで学ぶ—オープンエデュケーションと知の革命— 筑摩書房 pp.230
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