韓国では当時,1回あたりの限度額を規定していた。規則では,「1回限度額2万ウォン規定」とある。日本円にして,約2000円が大当たり1回の限度であった。しかし,実際には守られておらず,1度に数百万ウォンの当たりは不法であるにもかかわらず,それが横行していた。
とくに問題となった『海物語(パタイヤギ)』を含めた電子式メダルゲームの場合,確率プログラムを変調させて射幸行為を高める手口が横行した。
確率プログラムの場合,審議の過程にあっても不正を探し出しにくいだけでなく,仮に不正を見つけても,違法性可否を判断することは大変だという問題があった。
これらのゲームでは,当たり金額を2万ウォンずつ数百回に分けて排出する方式にゲーム機を改造していたのである。高額当たり金額をメモリーに保存した後,表ではゲーム機を初期化しているように見せかけて連続的に当たるようにしていたのだ。
企業がこのような改造をしたのは,高配当の当たりの成り立つゲーム機が市場でよく売れ,ゲーム場を訪問する人たちは,数う百万ウォンが当たるゲーム機を探すからだ。
これは明白は違法行為だが,ゲーム場業主たちは確率プログラムによってそうなってしまった,という主張をして警察の取締りを避けてきた。検察の本格的な操作が成り立つまで,射幸的ゲーム機の製造企業とゲーム場業主たちは,このような手口で堂々と営業してきた。
機械の不法改造は,日本も韓国も変わりなかったことがよく分かる。
若宮 健 (2010). なぜ韓国は,パチンコを全廃できたのか 祥伝社 pp.28-29
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