フランスの心理学者ミシェル・ゴークランは,占星術の科学的基礎の発見に生涯をささげた。彼が行なった主な研究は,著名な医師や政治家や軍人の誕生日と,惑星の特定の配置との間の統計的な関係性を調べることである。たとえば,フランスの医師の中には,火星と土星が支配的な時期に生まれた人の割合が思いのほか多かった。また,2千人を超えるトップクラスのスポーツ選手の誕生日を調べた結果,ここでも家政が重要な位置を占めていることがわかった。
ゴークランは,他にも次のような多くの関連性を発見している。
スポーツ選手 火星が強く,月が弱い
軍人 火星または木星
俳優 木星
医師 火星または土星が強く,木星が弱い
政治家 月または木星
会社重役 火星または土星
科学者 火星または土星が強く,木星が弱い
作家 月が強く,火星または土星が弱い
ジャーナリスト 木星が強く,土星が弱い
劇作家 木星
画家 金星が強く,火星または土星が弱い
音楽家 金星が強く,火星が弱い
ゴークランの発見は,すべてが占星術の正しさを裏づけるものとは限らない。初めのころに行なった黄道十二宮についての研究では,占星術師の主張を裏づける証拠は何ひとつ見つからなかった。ゴークランは生涯,そんな発見はまちがいでありまやかしだと,科学者たちから非難を受けつづけた。そして1991年,集めたデータのほとんどを破り捨てたあと自殺したのである。
マーティン・プリマー,ブライアン・キング 有沢善樹(訳) (2004). 本当にあった嘘のような話:「偶然の一致」のミステリーを探る アスペクト pp.27-29
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