博物学者のサー・ピーター・スコットは,ネス湖の恐竜,ネッシーの存在を信じて疑わない。実際,その信念が高じて,彼はネッシーに「ネシテラス・ロンボプテリクス(Nessiteras rhombopteryx)」というギリシャ語名をつけ,その名前を広げようとしたくらいだ。この名前はサー・ピーターと水中写真家のロバート・ラインズが1975年12月に考えだしたもので,おおざっぱに翻訳すると「ダイヤモンド型のヒレを持つ,ネス湖の恐竜」とでもなるだろうか。ところが,この名前を発表したとたん,ロンドンの新聞に,ネシテラス・ロンボプテリクスという名前は「サー・ピーター・Sによるでっちあげ竜(Monster Hoax by Sir Peter S)」のアナグラム(訳注 文字の並べ替え)だ,と指摘されてしまった。
マーティン・プリマー,ブライアン・キング 有沢善樹(訳) (2004). 本当にあった嘘のような話:「偶然の一致」のミステリーを探る アスペクト pp.292
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