また,ある女子学生が授業に来なくなったので,心配して家に電話をしたら,母親が電話に出て「家には居ません」と。
「アルバイトにでも行っているのですか?」
「アルバイトはしていません」
「では,どこに居るのですか?」
「わかりません」
先生,しばし絶句。「わかりません,って,それでいいんですか?」
出席日数が不足気味,このままでは卒業にひびきますよと注意し警告を発しているにもかかわらず,結局,本人学校に現れず,仕方がないので再び電話を入れた。すると,くだんの母親,自分の監督不行き届きを棚に上げ,あろうことか,言うに事欠いて,「まったく,これではカネをドブに捨てたようなものです」と。
先生,受話器を持つ手をワナワナと震わせ,学校は,俺は,ドブかよ!と思いながら,それでもなんとか冷静に対応したそうだ。ナンセンスマンガを見るよりも超面白く,超くだらない。でも,それが現状なのだ。
三浦衛 (2009). 出版は風まかせ—おとぼけ社長奮闘記— 春風社 pp.230-231
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