忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

空想できるか

 テレビのドキュメンタリー番組では,ビッグ・バンを爆発のようにアニメーションで見せるのがふつうだ。暗黒の中を球形の火の玉が広がっていく。しあkしそれは間違いだ。爆発は空間の膨張そのものなのだから,膨張する外の宇宙は存在していない。宇宙はそこにあったのだ。外側にではない。ビッグ・バンの前には時間も存在しない。北極の北はどこだろう?
 拡大していく巨大の火の玉の中に住んでいるという幻想は残る。私自身それを振り払うのには苦労した。宇宙の中心の方向があって,そちらを見れば中心が見えると考えるかもしれない。問題なのは,爆発はわれわれの周り中にあることだ。われわれがその一部であり,見るところどころにもある。最大の映画館だ。
 まだ混乱しているって?宇宙論の研究者でも,四次元や空間の曲率を考えると頭が痛くなることもあるんじゃないかと思う。彼らは認めないだろうが。天文学者はこう言っている。宇宙論者はしばしば誤りを犯す。しかしつねに確信を持っている。
 それでもわれわれはこの広大な宇宙を理解しようとし続ける。アインシュタインがうまいことを言っている。「宇宙にかんして一番の驚くべきことは,われわれが宇宙を理解可能だということだ」。

フィリップ・プレイト 工藤巌・熊谷玲美・斎藤隆央・寺薗淳也(訳) (2009). イケナイ宇宙学:間違いだらけの天文常識 楽工社 pp.209-210
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]