3つ目の教育方針は,「無関心」である。私は,たとえ子どもたちが何かに興味を示しても,あまりそれに夢中にならないように教える。そのテクニックはじつに巧妙だ。まず,私は念入りに計画を立て,子どもたちを私の授業に熱中させる。彼らは興奮して立ち上がったり,私に褒められようと活発に競争したりする。教室が熱気に包まれるのを見るのは嬉しいもので,生徒はもちろん,私までもが気分が高揚する。しかし,いったんチャイムが鳴ると,子どもたちにはそれまでやっていたことをすべて中止させ,ただちに次の授業の準備をさせる。彼らは電気のスイッチのように,素早く頭を切り替えなければならない。私のクラスでも,他のどのクラスでも,重要なことは何一つやり遂げられたことがない。生徒たちがまともにやり遂げるのは学費の納入くらいのものだ。
ジョン・テイラー・ガット 高尾菜つこ(訳) (2006). バカをつくる学校:義務教育には秘密がある 成甲書房 pp.24
PR