新しい屋台にはそれまでなかったガスグリルがつき,温かい食べものを販売できるようになった。当時,屋台でよく売られていたのがソーセージ。アメリカではフランクフルトとかウィンナーとも呼ばれていた。ソーセージを皿やフォークなしでたったまま食べるのはたいへん。そこでこれをパンにはさもうということになり,1870年代には専用のパンが製造されていた。ソーセージをパンにはさんだこの食べものは,縁日や遊園地,スポーツイベントなど,たくさんの人が集まる場所で人気があった。手軽につくれて,安価で,食べやすい。でも,問題はソーセージの材料だった。安いウィンナーソーセージには犬の肉が使われているという人までいた。エール大学の学生が屋台を「ドッグワゴン」と呼び始め,1890年代に「ホットドッグ」ということばが生まれた。
アンドルー・F・スミス (2011). ハンバーガーの歴史:世界中でなぜここまで愛されたのか? ブルース・インターアクションズ pp.21
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