屋台ではハンバーグも販売された。ソーセージ同様,ハンバーグは挽き肉でつくる。けれどもソーセージと違って生なので,食べる前に火を通さなければならない。屋台にグリルが備わって,ハンバーグはメニューに加わった。そして,客の多くが立ち食いをすることから,ハンバーグは必然的にパンにはさまれることになる。だれが最初にこれをパンにはさんで売りだしたのかは不明。でも1890年代にはすでにアメリカに定着していた。「ハンバーグステーキサンドイッチ」をアメリカ各地の新聞が取りあげている。ネヴァダ州リノの『イヴニング・ガゼット』には1893年にこんな記事が載った。「トム・フレイカーのあのハンバーグステーキサンドイッチはいつも強い味方。これを食べるとおなかが満たされ,心まで強くなる」シカゴの『トリビューン』はこう報じた。「今はやりの食べものがハンバーグステーキサンドイッチ。価格はたったの5セント。あらかじめ準備した小さなパティをその場で焼いてはさんでくれる」ロサンゼルスの新聞はハンバーガーを「細かく刻んだ肉と玉ねぎを具にしたサンドイッチ」と説明。ハワイでもアメリカに併合される前からハンバーガーが食べられていた。
アンドルー・F・スミス (2011). ハンバーガーの歴史:世界中でなぜここまで愛されたのか? ブルース・インターアクションズ pp.22
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