戦時中はポテトが重要な商品になった。じゃがいもは安価で,有り余るほどあって,配給の対象になったりしない。それまでフライドポテトを販売する店はそれほど多くなかった。器具の扱いがむずかしく,深い料理器に入った高温の油を使うことから安全面でも問題があったからだ。戦時中にフライドポテトは人気を得,その後,人々はその味を懐かしんだ。
戦後もフライドポテトの販売を続ける店はあったものの,調理が危険なために大半の店が中断。ポテトがうまく揚がったかどうか,タイミングをはかるのがむずかしいのも問題だった。だが1950年代に技術の改良が進み,安全で,だれにでも扱える器具ができて,フライドポテトはハンバーガーチェーンのメニューに戻ってきた。このころミルクシェイク用の器具もよいものができ,ホワイト・キャッスルはシェイクの販売を再開した。ボブズ・ビッグボーイに対抗するため,1958年には「キングサイズ」のハンバーガーをテスト販売したが,客が支持したのは昔ながらの小さな「スライダー」だった。
アンドルー・F・スミス (2011). ハンバーガーの歴史:世界中でなぜここまで愛されたのか? ブルース・インターアクションズ pp.43-44
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