食の分野で新モデルを築いたのがモーリスとリチャードのマクドナルド兄弟だ。ニューハンプシャー州出身の2人は1930年にロサンゼルスに移り住み,小さな映画館を買った。でも経営はうまくいかず,なんとか生計を立てようと,1937年にオレンジジュースとホットドッグのスタンドを開いた。ロサンゼルス郊外のアーケーディアにあるサンタアニタパーク競馬場の近くだったが,意外にも商売は不振。商品をバーベキューとハンバーガーに変えても,売上げは伸びない。
そこで2人は1940年にロサンゼルスから160キロメートルほど東の町サンバーナディーノに移り,マクドナルド兄弟のハンバーガー・バー・ドライヴインをオープンした。「カーホップ」と呼ばれる女性従業員が20人いて,注文を取り,食べものを運び,代金を受け取る。売上げの80%がハンバーガーで占められ,それに気づいた兄弟は,バーベキューをメニューから外した。バーベキューはいずれにせよ,準備に時間がかかりすぎる。
アンドルー・F・スミス (2011). ハンバーガーの歴史:世界中でなぜここまで愛されたのか? ブルース・インターアクションズ pp.47
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