もっとも,6次の隔たりを経てあらゆる人とつながっているからといって,それらの人びとすべてに影響を及ぼせるわけではない。社会的な距離が問題となるのだ。私たち自身の研究から,社会的ネットワークにおける影響の広がりは,いわば「3次の影響のルール」に従うことがわかっている。私たちのあらゆる言動は,さざ波を立てるようにネットワークを進んでいき,友人(1次),友人の友人(2次),さらに友人の友人の友人(3次)にまで影響を及ぼすケースが多い。だが,その影響力は徐々に弱まり,3次の隔たりの位置に存在する社会的な限界を超えると,目立った効果はなくなってしまう。同じように,私たちは3次以内の関係にある友人からは影響を受けるが,その先に連なる人びとからは影響を受けないのがふつうである。
ニコラス・A・クリスタキス,ジェイムズ・H・ファウラー 鬼澤忍(訳) (2010). つながり:社会的ネットワークの驚くべき力 講談社 pp.43
(Christakis, N. A. & Fowler, J. H. (2009). Connected: The Surprising Power of Our Social Networks and How They Shape Our Lives. New York: Little, Brown and Company.)
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