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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ホモ・ディクティアス

 私たちは別の見方を提案する。ホモ・ディクティアス(ラテン語で「人間」を意味するhomoと,ギリシア語で「網」を意味するdictyからの造語),すなわち「ネットワーク人」は人間の本質に関する一つの見方であり,利他精神と処罰感情,欲求と反感がどこから生まれるかを解き明かそうとするものだ。こうした視点をとれば,人間の動機を純粋な利己主義から切り離すことができる。私たちは他人とつながっているがゆえに,また他人を思いやるよう進化してきたがゆえに,行動を選択するにあたって他人の幸せを考慮するのだ。そのうえ,ネットワークへの帰属を重視するこうした視点をとることによって,人間の欲求についての理解に,重要な要素を正式に含めることができる。すなわち,周囲の人びとの欲求である。これまで見てきたように,健康にかかわる行動から音楽の好み,投票の仕方に至るまで,すべてにこの見方が当てはまる。私たちは,自分とつながりのある他人の欲するものを欲するのだ。

ニコラス・A・クリスタキス,ジェイムズ・H・ファウラー 鬼澤忍(訳) (2010). つながり:社会的ネットワークの驚くべき力 講談社 pp.278-279
(Christakis, N. A. & Fowler, J. H. (2009). Connected: The Surprising Power of Our Social Networks and How They Shape Our Lives. New York: Little, Brown and Company.)
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