信念の場合と同様,われわれの感情が理解し難い傾向をもっていることは,われわれが世の中で有効に機能するための利点になっている。われわれは,認知と認識のすべてを分析する時間がないように,すべての感覚を考察する時間がない——短絡経路は,われわれが混乱して致命的な行き詰まりに陥らないようにする効果がある。しかしながら,管理職なら誰でも知っているように,他人に任せることはリスクも利益もある。同様に,われわれが感情に信頼を置くと,現実から離され,危険に陥る可能性さえある——それらの感情を自分たちに有利なように操作する方法を知っている人がいる場合には特にそうである。
キャスリン・テイラー 佐藤敬(訳) (2006). 洗脳の世界——だまされないためにマインドコントロールを科学する 西村書店 pp.201-202
(Taylor, K. (2004). Brainwashing: The Science of Thought Control. London: Oxford University Press.)
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