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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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最良の選択を

 それ以上に重要なのは,彼らが「文明開化」「富国強兵」「殖産興業」などのスローガンのもと,差し迫った近代化や産業化の推進のために,各国の学術の長短を分野ごとに比較・検討し,最適の国から最良のものを選択しようという意図を初めから強く持っていたという点である。それは留学生の派遣先の決定だけでなく,自分の国にどのような高等教育の期間を創設するかについての選択にも,深く関係していたと見てよい。これから建設されるべき西欧的な教育システム像を示した,最初の本格的な近代教育制度の構想である明治5(1872)年の「学制」が,「仏国学制」を基本としながらオランダやドイツ,さらにはアメリカなどの制度を参考に策定された,いわば折衷的な,採長補短的な性格のものであったことは,それを裏書するものといえよう。

天野郁夫 (2009). 大学の誕生(上) 中央公論新社 pp.18
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