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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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外国語が必要だった

 留学帰りの教授たちは,日本語で授業をするのが基本になったとはいえ,訳語も定まらぬ状況下で,使用されるテキストは事実上すべて欧米諸国のもの(原書!)であり,授業は大部分が外国語で,あるいはそれに日本語混じりで行なわれていた。
 その外国語も医学部はもっぱらドイツ語,法理文の三学部は英語を主とするとはいえドイツ語・フランス語も必要とされるという複雑さであり,学生たちには依然として高度の,しかも複数の外国語能力が要求されていた。授業時間の大半を外国語の履修にあてる予備門が,あとで見るように帝国大学の発足後,高等中学校・高等学校として制度化されねばならなかったのは,そうした学問的な後進国・植民地としてのわが国の大学の,その後長く続く重要な特質と不可分にかかわっていた。

天野郁夫 (2009). 大学の誕生(上) 中央公論新社 pp.54-55
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