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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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共感覚

 つまり,シィーの場合,われわれの場合には存在している聴覚と視覚との間の境界,聴覚と触覚もしくは味覚との間の境界が,はっきりした形では存在しないのである。通常の多くの人の場合には,退化した形でしか存在しない「共感覚」の残痕(低い音や高い音がいろいろな色をもっていたり,「温かい」音や「冷たい」音があったり,「金曜日」,「月曜日」が何らかの別の色をもっていることを誰が知っていようか)が,シィーの場合,彼の精神生活の最も基本的な特徴として残っているのである。それは,非常に幼い時に発生し,現在まで保持されてきたのである。それらは,これから見ていくように,彼の知覚,注意,思考に固有な作用を与え,そして,それは彼の記憶力の重要な成分になったのである。

A.R.ルリヤ 天野清(訳) 偉大な記憶力の物語:ある記憶術者の精神生活 岩波書店 pp.30
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