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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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美しさ

 たとえば過去の完了を意味する「〜てし」というのは,こうした一例である。「てし」という言葉は当時,日本語では同じ音で「書の先生」=「手師」を意味する言葉があった。書の先生として最も手本に多く用いられたのは,「書聖」と呼ばれた王羲之である。万葉の人々は,「〜てし」と書くのに「手師」から「王羲之」を連想し「羲之」と書いたのである。
 これを視覚的な美しさなのかと問われる方もあろう。
 しかし,筆者は現代的な芸術という意味での「美しさ」を言っているのではない。彼らは漢字を使って日本語を書きながら,じつはこれが視覚的には「漢文」のように見えることを「美しい」と感じていたのである。

山口謠司 (2010). ん:日本語最後の謎に挑む 新潮社 pp.34
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